SQL Server 2008 オンライン バックアップの利点

SQL Server のオンライン バックアップは、SQL Server を起動したままの状態でバックアップが取得できる機能で、オフライン バックアップと比べて、次の利点があります。

  • SQL Server を停止する必要がない
  • トランザクション ログのバックアップを定期実行することで、ログの肥大化を防げる
  • オフライン バックアップよりもファイル サイズを小さくできる = オフライン バックアップよりもバックアップ時間を短くできる
  • 差分または増分のみをバックアップできる
  • バックアップ圧縮機能によって、さらにバックアップ時間を短縮できる(SQL Server 2008 からの新機能で Enterprise Edition でのみ利用可能)
  • 障害発生直前までの復旧が可能


オフライン バックアップとオンライン バックアップの内部動作を比較すると、次の図のようになります。

オフライン バックアップは、データ ファイル(.mdf)のコピーになるので、ファイルのサイズ分のコピーが必要になるのに対して、オンライン バックアップでは、使用中のデータのみをバックアップするだけで済みます。この図の右のグラフは、弊社のお客様のデータ(45GBのデータベース)でオフライン バックアップを実行した場合と、オンライン バックアップを実行した場合の実行時間とサイズを比較したもので、オフライン バックアップでは 45GB 分のファイル コピーが必要なのに対して、オンライン バックアップでは 15GB(使用しているデータ サイズ)分のバックアップで済んでいるので、バックアップ時間を 14分45秒から 5分50秒に短縮(約 9分の短縮)することができています。
また、このグラフでは、SQL Server 2008 からの新機能である「バックアップ圧縮」を利用した場合の速度結果も掲載していて、バックアップ圧縮では、バックアップ サイズを 3GB まで縮小することができるので、バックアップ時間を 3分30秒にまで短縮できています。