データベースに対する操作履歴の監査(データベース監査の仕様)

SQL Server 2008 からの新機能である「SQL Server Audit」では、「データベース監査の仕様」を作成することで、データベースに対する操作(SELECT や INSERT、UPDATE、DELETE など)を監査(ログ記録)することができます。

データベース監査の仕様を作成するには、次のようにデータベースを展開して、[セキュリティ]フォルダの[データベース監査の仕様]を右クリックし、[新しいデータベース監査の仕様]をクリックします。

「データベース監査の仕様の作成」ダイアログが表示されたら、[監査]で事前に作成した監査を選択し、[監査オブジェクトの種類]で監査したいアクションを選択します。
次に、[オブジェクト名]の[...]をクリックして、監査対象としたいテーブルを選択します。

次に、[プリンシパル名]の[...]をクリックして、監査対象としたいデータベース ユーザーを選択します。

次に、作成したデータベース監査の仕様を右クリックして[データベース監査の仕様の有効化]をクリックすれば、監査を開始できます。

監査ログは、次のように確認することができます。

このように、SQL Server Audit を利用すると、データベースに対するあらゆる操作を監査(ログ記録)できるので、「得意先」や「顧客」テーブルなどを監査すれば、顧客情報(クレジット カードや個人情報など)の漏えいが発生した場合の証跡を残せるようになります。また、特権ユーザー(管理者権限を持ったアカウント)の操作履歴(SQL Server に対する管理操作やデータ操作)をすべて監査しておけば、不正利用(管理者アカウントを悪用したデータの盗難やトロイの木馬の設置など)を監視できるようになります。
SQL Server Audit は、J-SOX 法(日本版 SOX 法)や PCI DSS(クレジット カード情報のセキュリティ基準)、内部統制などのコンプライアンス法令遵守)の実現およびセキュリティの強化には、不可欠な機能になります。監査に関する詳細は、弊社が執筆協力した SQL Server 2008 徹底検証シリーズの「コンプライアンス実現のためのガイドライン」に詳しく記載しているのでご覧になってみてください。
http://www.microsoft.com/japan/sqlserver/2008/bible/cqi.mspx