Microsoft MVP for SQL Server の更新

今年はどうなるか不安だったのですが、無事 Microsoft MVP for SQL Server を更新することができました。ありがとうございました m(_ _)m
Microsoft MVP は、2004年 4月に初めていただいてから 7年連続の受賞になりました。改めて、SQL Server との付き合いも本当に長くなったなあと実感しています。相方は、日本での最初のバージョンの「SQL Server 4.21a」からなので、もうかれこれ 15年。私は「SQL Server 6.5」からなので 12年くらいになります(当時は SQL Server 6.5 の MCP 試験に何度か落ちたのを覚えてます ^^;)。
データベースは、今まで Oracle 8、8i、9i も使ってきて、PostgreSQLMySQLDB2 も使ってきましたが、SQL Server が一番大好きな製品です。なんといっても開発生産性が高いことVisual Studio との親和性の高さとストアド プロシージャの作りやすさなど)と、運用管理/性能監視のためのツールが充実していることが大きな理由です。
SQL Server 7.0 以降は、Jim Gray さんが開発に携わって、アーキテクチャを一新したことも大きかったですね(Jim Gray さんは、過去に DEC、Tandem、IBMAT&T社にて、DEC RdbACMSNonStop SQLPathwaySystem RSQL/DSDB2IMS-Fast Path などの歴史ある数々のデータベース/トランザクション処理システムの開発に従事してきたデータベースの第一人者で、1998年にはコンピュータ業界のノーベル賞とも呼ばれる "チューリング賞" も受賞しています!)。
それまでは、Sybase からの移植という色合いが濃かった SQL Server が、真の意味での Microsoft SQL Server になった瞬間です。SQL Server 7.0 では、ソースコードを 90%書き換えて、「今後 10年、20年先にも通用するプラットフォームを目指す」という開発目標を掲げていましたが、すでに 11年以上経っているので、いつの間にか目標達成してますね(SQL Server 7.0 は 1999年 2月に登場)。
SQL Server 6.5 までは、企業の部門レベルの小・中規模システムで利用されることがほとんどでしたが、SQL Server 7.0 以降は企業の基幹システムや、全社的な大規模システムでの利用がどんどん増えて、現在では当たり前のように採用されるようになりました。百五銀行の勘定系システムや米 NASDAQ(ナスダック)、英ロンドン証券取引所などでも SQL Server が採用されるなど、銀行や証券などの非常に高い信頼性が求められるシステム(ミッション クリティカルなシステム)でも幅広く採用されています。
弊社でも TB(テラ バイト)クラスの大規模システムのコンサルティング(物理設計や論理設計、DWH/BI システム設計など)や、1秒あたり 1,000 Batch Request の高負荷システムのパフォーマンス チューニングなどを行ったりしてきましたが、パフォーマンス良く、安定稼働しているシステムを目の当たりにしてきています。もちろん、チューニング前はパフォーマンスが出ていないシステムなわけですが、チューニング(SQL の書き方やロック処理の見直し、インデックス チューニング、アプリのチューニングなど)をすることで驚くほどの性能を発揮することができます。


SQL Server は BI 機能の進化がすさまじい
SQL Server 7.0 で初めて搭載された OLAP Services開発コード名:Plato、現在の Analysis Services)と DTS(データ変換サービス、現在の Integration Services)、SQL Server 2000 のアドオンとして提供された Reporting Services など、SQL Server は BI(Business Intelligence)まわりの周辺技術の進化もすさまじいものがあります。
もうすぐ登場する SQL Server 2008 R2 では、Analysis Services の進化版のエンジン(VertiPaq)の実装(PowerPivot)や、Reporting Services のさらなる進化(地図対応など)もあり、この分野はどんどん進化していくので、ただただスゴイ! の一言ですね。最近は、弊社では BI 関連のご依頼が多いので、BI 専門にしてもいいかなと思ったりもしていますが、やはりパフォチューも大好きなので、しばらくは両方とも真剣に向き合っていこうと思っています。


話しが随分とそれてしまいましたが、Microsoft MVP になって最も良かったことは、SQL Server を実際に作っている開発者の方々と直接お会いできる機会が得られたことです。人の心を動かすのは、やっぱり人だなぁと、改めて感じていますが、開発者の方々のとっても熱い Passion! これを肌で感じられたことが、私たちが SQL Server を好きで居続けられる理由だなーと、最近切に感じています。
それと、世界では SQL Server でビジネス(コンサルなど)をしている方々がたくさんいること。これも私たちの気持ちをキープできている理由の 1つです。Microsoft MVP が一同に介する Global Summit では、そういった方々と直接お話しすることができるので、本当にパワーをもらうことができます。
ということで、私たちが今の仕事を続けていられるのは、Microsoft MVP プログラムのおかげで、本当に感謝しています。このプログラムは Win-Win で、利用する/利用されるという関係が生まれないとっても素晴らしいプログラムなので、絶対になくならないでほしいなあと思っています。やはり、"利用されている" という気持ちが起きたときには、拒絶反応が出てしまいますので。
私たちも、人と接するときは、"利用する" という気持ちは絶対に持たないようにしています(私たちは、かけ引きせずに、いつも直球勝負です)。お互いに Win-Win でいられる、そして何よりも楽しく仕事ができる、そんな関係が築ける出会いを求めて、日々過ごしています。起業してから、今までお仕事をさせていただいた皆様とは、本当に楽しく仕事をすることができていますので、本当に感謝しております。今後もそういった出会いを求めて!!!


■ 昨年の私のコミュニティ活動
最後に、今回の Microsoft MVP 更新のために私が MVP 事務局へ提出したコミュニティ活動(2009年 1月〜 2009年 12月の間の活動)をまとめてみました。


書籍執筆: SQL Server 2008 の教科書 ソシム

書籍執筆: 実践 Microsoft SQL Server 2008 開発入門 日経BPソフトプレス

書籍執筆: 実践 Microsoft SQL Server 2008 運用管理入門 日経BPソフトプレス

書籍執筆: 実践 Microsoft SQL Server 2008 データ統合&分析入門 日経BPソフトプレス

書籍執筆: 実践 Microsoft SQL Server 2008 レポーティング入門 日経BPソフトプレス

書籍執筆: 徹底検証 Microsoft SQL Server 2008 コンプライアンス&情報セキュリティ 日経BPソフトプレス

書籍執筆: 徹底検証 Microsoft SQL Server 2008 データウェアハウス環境構築 日経BPソフトプレス

書籍執筆: 徹底検証 Microsoft SQL Server 2008 データウェアハウス運用管理 日経BPソフトプレス

書籍執筆: 徹底検証 Microsoft SQL Server 2008 移行・アップグレード&データベースサーバー統合 日経BPソフトプレス

書籍執筆: ASP.NET でいってみよう 翔泳社(これは増刷分)


■ プレゼンテーション


■ ブログ
http://d.hatena.ne.jp/matu_tak/


■ 執筆: SQL Server 2008 自習書シリーズ No.21 〜 No.23 (合計 3本、428 ページ)


■ 執筆: SQL Server 2008 R2 自習書シリーズ No.1 〜 No.3 (合計 3本、190 ページ)


■ その他

  • MVP Connect - Voice of Community サイトでの多数のフィードバック
  • 2009年 3月の Global MVP Summit の各セッションでのフィードバック
  • マイクロソフト勉強会キット 「SQL Server 2008 勉強会キット〜 第 1 版」 の一部として、昨年度に公開した SQL Server 2008 自習書シリーズ 4本(Integration Services 入門・応用、Reporting Services 入門・応用)が含まれている


などです。