ポリシー ベースの管理 (Poliy Based Management)

SQL Server 2008 からは、「ポリシー ベースの管理」機能がサポートされました。これは、WindowsActive Directory)におけるグループ ポリシー機能と同じように、管理者が設定したポリシーを利用して複数の SQL Server を集中管理できる機能です。ポリシー ベースの管理では、SQL Server 2008 だけでなく、SQL Server 2000/2005を対象にすることもできるので、企業内のすべての SQL Server を集中管理する目的として利用することもできます。また、ポリシー ベースの管理で作成したポリシーは、そのポリシーを強制(設定値を強制)したり、定期的なチェックとレポートを作成したりできるようになります。


ポリシー ベースの管理では、最初にファセット(Facet)から条件(Condition)を作成するので、まずはどういったファセットがあるのかを確認しておく必要があります。ファセットを確認するには、次のように[管理]フォルダの[ポリシー管理]から[ファセット]フォルダを展開してファセットの一覧を表示し、中身を確認したいファセットを右クリックして[プロパティ]をクリックします。

たとえば、Server Configuration ファセットの中身には、次のように「Max Server Memory」や「Max Degree of Parallelism」、「Max Worker Threads」などがプロパティ一覧へ表示され、SQL Server の構成オプションが一覧されることを確認できます。

次に、Surface Area Configuration ファセットの中身を確認してみます。

これは、以前のバージョンのセキュリティ構成ツール(Surface Area Configuration)で設定していたセキュリティ設定に関する項目が一覧されます。

次に、Database Options ファセットの中身を確認してみます。

このファセットでは、「Auto Shrink」(自動圧縮)や「Auto Create Statistics」(統計の自動作成)といった、データベースの「プロパティ」ダイアログで設定可能なプロパティが一覧されることを確認できます。


■ 自動圧縮設定が無効かどうかを確認するポリシーの作成
次に、Database Options ファセットを利用して、自動圧縮(Auto Shrink)設定が無効(False)になっていることを確認するためのポリシーを作成してみます。

まずは、Database Option ファセットをもとに条件を作成します。条件を作成するには、次のように[条件]フォルダを右クリックして[新しい条件]をクリックします。


[名前]へ任意の名前(conditin1 など)を入力して、[ファセット]で「Database Option」ファセットを選択し、[式]の[フィールド]一覧から「@autoshrink」を選択し、[値]で「False」を選択し、[OK]をクリックします。これにより、自動圧縮が無効(False)になっているかどうかを確認するための条件を作成できます。

次に、作成した条件をもとにポリシーを作成します。ポリシーを作成するには、次のように[ポリシー]フォルダを右クリックして[新しいポリシー]をクリックします。


[名前]へ任意の名前(policy1など)と入力して、[条件の確認]で作成した条件(Database Option ファセットの下の「condition1」)を選択し、[OK]ボタンをクリックします。
以上でポリシーの作成が完了です。

次に、ポリシーの効果を試すために「dmfTesetDB」という名前のデータベースを作成します。

[オプション]ページでは、[自動圧縮]を「True」へ設定して、ポリシーへ違反するようにし、[OK]をクリックします。


データベースの作成が完了したら、次のように作成したポリシー(policy1)を右クリックして[評価]をクリックし、ポリシーを実行します。

dmfTesetDB データベースがポリシーに違反したデータベースとしてリストアップされることを確認できます。

次に、同じダイアログで、次のようにポリシー違反リストの左横のチェック ボックスをチェックし、[適用]ボタンをクリックします。


[適用]ボタンをクリックすると、[ポリシー評価の警告]ダイアログが表示されるので、[はい]ボタンをクリックします。

これにより、ポリシーの設定値を強制適用することができます。
適用後はポリシーに違反していないものとしてリストアップされることを確認できます。確認後、[閉じる]をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。

実際に、データベースのオプションが強制適用されたことを確認しておきます。


なお、そのほかの SQL Server 2008 の新機能の具体的な利用方法については、弊社執筆の SQL Server 2008 自習書シリーズ(下記 URL)の「SQL Server 2008 の注目の新機能をイチ早く試してみよう! 」編を参考にしてみてください。
http://www.microsoft.com/japan/sqlserver/2008/self-learning/default.mspx